民法における「意思の自由の原則」は現代社会においてどのように変容してきたか
民法における意思自由の原則とは、私的自治の原則の帰結であると考える。一般的に近大私法の3大原則として、権利平等の原則、私的所有権絶対の原則、私的自治の原則があげられる。このうち私的自治の原則の帰結として、法律行為自由の原則、過失責任の原則があげられる。私的自治の原則を考えると、私法上の法律関係については、個人が自由意志に基づいて自律的に形成することができるという原則である。つまりは意思自由の原則ということである。この意思自由の原則については、封建制度から個人を解放する原理として主張されてきた。現代においては、自由主義の立場から意思自由の原則が強く主張されている。
ここで自由主義について検討する。自由主義とは私法に対して国家の介入をできるだけ制限するという考え方である。人間は本来自由な存在であり、誰もが個人の自由な意思によって思想や、宗教、ライフスタイルを選択できるはずであるという考え方である。
意思自由の原則については、この自由主義的な考え方が基礎となっているものである。個人の意思決定に際しては、個人が自...