フランス野女流作家として知られるコレットの文献を2冊程読んだ。コレットの作品の中で最も有名と言える「シェリ」、そしてその後出版され、社会的にも波紋を呼んだ「青い麦」である。というのも、「青い麦」は、文中で少年と中年婦人との性的な関係が描かれており、それを不純だと見なされたからである。コレット自身もパントマイムを行なったり、自身の作品を脚本化し自ら演じたりと積極的に表現活動を行なっただけでなく、恋多き女性で、結婚離婚を繰り返したり、スキャンダルな行動を起こすなど、内に激しい情熱を秘めた人物であることで知られている。どちらの作品からも、作者の情熱を感じることができた。また、彼女独自の嗜好が随所に読み取れる記述が多々あり興味を惹いた。今回は「青い麦」における美意識について深く読みとってみようと思う。
「青い麦」における美意識とその描写について
フランス野女流作家として知られるコレットの文献を2冊程読んだ。コレットの作品の中で最も有名と言える「シェリ」、そしてその後出版され、社会的にも波紋を呼んだ「青い麦」である。というのも、「青い麦」は、文中で少年と中年婦人との性的な関係が描かれており、それを不純だと見なされたからである。コレット自身もパントマイムを行なったり、自身の作品を脚本化し自ら演じたりと積極的に表現活動を行なっただけでなく、恋多き女性で、結婚離婚を繰り返したり、スキャンダルな行動を起こすなど、内に激しい情熱を秘めた人物であることで知られている。どちらの作品からも、作者の情熱を感じることができた。また、彼女独自の嗜好が随所に読み取れる記述が多々あり興味を惹いた。今回は「青い麦」における美意識について深く読みとってみようと思う。
「青い麦」の主人公は、毎夏ブルターニュの海岸へバカンスを過ごしに家族連れでやってくる、幼馴染の15歳のヴァンカと16歳のフィリップ(フィル)である。幼い頃からから兄妹のように親しく付き合ってきた二人だが、思...