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「倫理学」とはどのようなものなのか。また、アリストテレスとカント各々の「倫理説」はどのようなものかを論じていく。
まず最初に、「倫理学」とはどのようなものなのか。
「倫理学」とは、人間の秩序だった関係を「倫」と定める「理」を考察する学問である。
元々は住み慣れた場所や慣れた行動や習慣、それらから形成される人柄や品性などの総称をいう「エートス」のことを指していた。倫理学をエートスに関する諸々の事柄という学問として確立したのが、アリストテレスである。
続いて、アリストテレスとカント各々の「倫理説」はどのようなものか。
第1に、アリストテレスの倫理説は「徳倫理学」というものである。
アリストテレスによると、人間の営為には全て目的があるとしている。その目的の頂点には、それ自身が目的である「最高善」がある。この最高善は幸福のことだが、幸福は快楽を得ることだけではなく、政治を実践して理性を発展していくことで、いかに善いことをすべきかではなく、いかに善い人間になるかということとした。これは、よく生き、よく行為することとほど同じことである。
アリストテレスのいう理性の発展は、人間としての徳の...