明星大学 初等教育原理Ⅰ・Ⅱ 2単位目
参考文献「現代教育改革に立つ教育の原理」明星大学教育原理研究会編(明星大学出版部) 配本09年度~
課題1、エリクソンの心理社会的危機について説明し、さらに児童期までの危機の段階を説明せよ。 課題2、近年の教育改革の動向について、自分の関心のある動向の要点をまとめ、見解を述べよ。
課題1
エリクソンは、発達における自我の役割を強調した発達段階説を唱えた。自我の発達を老年期まで区分し、自我の形成過程に影響を与える葛藤の状況を「心理社会的危機」と呼んだ。そして、発達過程において乗り越えるべきいくつかの危機があることを明らかにした。(ここでの危機とは、「重要な課題」といった意味である。)子どもが身体の発達により新しい能力を獲得すると、自己の欲求と外からの制約との間の葛藤から、新しい危機が生じる。そのような危機をうまく解決してそれを乗り越えたとき、自我を望ましい方向に発達させ次の段階にスムーズに移行することができる。各段階における危機の克服は、次の段階への準備となり、その意味で各段階は有機的関係にある。
第1段階は乳児期(0歳)にあり、「信頼対不信」の...