認知行動療法

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    認知行動療法

                  
    1.認知行動療法とは

    認知行動療法とは、クライエントの不適応状態に関連する行動的、情緒的、認知的な問題を治療標的とし、学習理論をはじめとする行動科学の諸理論や行動変容の諸技法を用いて、不適応な反応を軽減するとともに、適応的な反応を学習させていく治療法である。

    クライエントが訴える問題は、不安や落ち込みといった情緒的な問題、心悸亢進や頭痛といった身体的な問題、あるいは,不登校や登社拒否をはじめとする生活上の問題などさまざまである。これらの不適応問題の発生や維持には、個人の予測や判断、信念や価値観といった考え方(認知)の問題が関連していることが少なくない。たとえば、「初対面の人と話す場面で過剰に緊張してしまい、振る舞いや口調がぎこちなくなってしまうために、なかなか新しい職場に適応できない」という問題を抱えているクライエントの場合、「過剰な緊張」や「振る舞いや口調のぎこちなさ」といった問題の背景には,「人に悪い印象を与えてはならない」という偏った考え方や、「あの人は、私のことを嫌っているに違いない」といった誤った予測が存在していることがある。...

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