中央大学 2009年度 刑法総論 第一課題

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    新旧学派の争いについて

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    刑法1(総論) 2009年度 第一課題
    新旧学派の争いについて
     カント哲学に従って道徳を峻別し、犯罪は道徳違反ではなく法違反であることを刑法の領域で明確にした、「近代刑法学の父」フォイエルバッハの刑法理論の客観的側面を継受し、19世紀前半に形成されたのが、旧派と呼ばれる学派の刑法理論である。19世紀後半になると、旧派の理論を批判する新しい刑法思想が生まれてきた。その理論は、犯罪、特に累犯・常習犯の著しい増大、また資本主義段階の発展により、人口の都市への集中化、景気の変動による失業・貧困・疾病・アルコールなどの社会的問題が存在し、それらに対応すべく生まれてきた刑法思想であり、これは新派と呼ばれる学派である。
     新旧派の主な理論的争点として、次の5項目が挙げられる。
     第1に意思自由論と意思決定論である。人間に意思決定の自由はあるかという争論で、これは新旧派における最も基本的な争点である。旧派の理論においては、自由を肯定することであり、人間には無条件にこの意思決定の自由が存在すると考えられてきた。しかし、今日の意志自由論の立場では、人間の自由の意思決定は存在せず、素質と環境に影響されつつ...

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