経営分析の基本的な項目について整理しております。また、経営分析を行う分析者にる目的の違いを述べております。
■経営分析の目的と様々な分析者
経営分析の目的は、企業の経営・財務がどのような状態になっているかを察知し、その経営・財務状態に基づいて最良な対応策をとることである。そして、経営分析の手法は企業の財務諸表を用いた財務諸表分析と、財務諸表を用いない非財務諸表分析がある。現在では多くの企業がウェブサイト上でIR(Investor Relations)情報を発信し、またEdinetで財務諸表が開示されていることから、財務諸表を用いた経営分析は企業外部からも可能である。
上述のように、財務諸表は簡単に入手できることから、経営分析は多くの人が行えるが、どの立場から分析をするのかを明確にすることである。株主・投資家、銀行、証券アナリスト、同業他社、従業員、顧客など立場の違いによって察知したいことや分析したいことは異なる。連結データ or 個別データ、ストックデータ or フローデータ、クロスセクションデータ or 時系列データ、といったように目的に応じてデータの使い分けが必要である。
財務安全性と効率性
企業の短期的(1年以内)な財務安全性を知りたいのであれば流動比率(流動資産/流動負債)や当...