行政法関係には、権力的な関係と非権力的関係があると言われている。権力的な関係はどのような特色をもっているか。非権力的な関係と対比して、実定法(訴訟制度、強制制度等)との関係を考慮しつつ検討しなさい。 1.行政法関係における権力的な関係とは、権力的特殊性が認められる行政上の法関係をいう。他方、非権力的な関係とは、権力的特殊性によらない行政上の法関係をいう。
行政活動には、何らかの公共性が認められるべきという社会的要請があり、それを根拠として、行政権の行使に関する法的規制には特殊性が認められる。
行政法に特殊性を認めるための考え方として、公法・私法二元論は、法律の制定以前の論理的要請とし法律の規定はこの当然に認められるべき特殊性を確認したものにすぎないとし、この特殊性の認められる領域には、私法規定の適用はないと考える。他方、私法一元論は、行政権に関する法的規制に特殊性が認められるのは、法律の規定がこの特殊性を実体法的に承認したことによるのであって、法律の規定が特殊性を認めていない場合私法の適用があるとする。
思うに、実定法の根拠を欠く特殊性を認めることは妥当でないから、特殊性を認めるべき...