問:AはBに対して殺人の故意をもって短刀で斬りつけたところ、大量の血が吹き出し、怖くなってそれ以上の犯行を断念した。
中止犯
問:AはBに対して殺人の故意をもって短刀で斬りつけたところ、大量の血が吹き出し、怖くなってそれ以上の犯行を断念した。
1、本問では、Aのなした行為が未遂犯として刑の任意的減軽の対象となるのか、それとも中止犯が成立し、刑の必要的減免となるのかが問題となる。
2、まず、未遂犯について刑法43条本文は「犯罪の実行に着手してこれを成し遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」と規定する。そして、中止犯は刑法43条但し書きにより「自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」と規定されている。43条但し書きの必要的減免の根拠については、犯罪成立要件の枠を超えた政...