問:大学生Aは、帰宅途中に自宅近くのゴミ捨て場に、本物の拳銃が捨てられていることに気づき、本物でも観賞用であればかまわないと思い、持ち帰り自宅で保管した。
違法性の錯誤
問:大学生Aは、帰宅途中に自宅近くのゴミ捨て場に、本物の拳銃が捨てられていることに気づき、本物でも観賞用であればかまわないと思い、持ち帰り自宅で保管した。
1、本問では、本物の拳銃を観賞用であればかまわないと思って保管した大学生Aはその行為が違法であることを知らなかった。このように、自己の行為が違法であるのに違法でないと誤信して行ったAの行為は、故意犯として銃砲刀剣類等取締法(以下、銃刀法という。)に違反するか、それとも故意が阻却されるかが問題となる。これは、故意の成立に違法性の意識を要件とすべきか否かの違法性の錯誤の問題である。
2、違法性の意識を必要とするかについては、こ...