アポロニオスは、アルゴ船物語を語るにあたって、伝説また伝統に基づいて叙事詩をつくった。そして、一つの題材を基に作品全体の統一性を求めるよりも,部分部分の場面に力点をみせるように構成した。またこの冒険全体が最初から最後まで時間の経過に従っているため、流れをつかむことが容易にできた。この物語は、全四巻に分けられている。その中には、奇異をてらい薀蓄を披露するような神話の出来事を矛盾がないように現実に結びつけられており由来や理由が説明されている。学識のある詩でもあり、恋愛詩でもある。
第一巻から第四巻をまとめてみる。「ペリアス王(父アイソンの王位簒奪者)の命令により、イアソンはギリシア中の英雄達と共にアルゴ船で、黒海のコルキスへと金羊毛皮を持ち帰るため出発する。第一巻〜二巻は、コルキス到着までの出来事が書かれている。立ち寄る島々での出来事や仲間同士の内輪もめなどがある。第三巻では、英雄イアソンへの恋に落ちる王女メデイアの恋が発端から書かれ一連の心の動きがわかるようになっている。その中でのイアソンに対する想いやそのことによって、父親また祖国を裏切ることへの葛藤などの心の苦悩が書かれている。メデイアはイアソン(恋を)選ぶ。そして、イアソンはメデイアの助けでコルキス王アイエテスのだした試練を、乗り切ることができ、その結果、目的の金羊毛皮を手に入れることができる。そして第四巻では、メデイアと共にコルキスからの脱出、帰国の様子が書かれている。追手と戦い、メデイアの兄アプシュルトスを殺すなど、コルキスから脱出しギリシアへの帰還を成し遂げる。」とこのように、順を追って経緯が物語られている。
アポロニオス
アルゴナウティカ‐アルゴ船物語‐
アポロニオスは、アルゴ船物語を語るにあたって、伝説また伝統に基づいて叙事詩をつくった。そして、一つの題材を基に作品全体の統一性を求めるよりも,部分部分の場面に力点をみせるように構成した。またこの冒険全体が最初から最後まで時間の経過に従っているため、流れをつかむことが容易にできた。この物語は、全四巻に分けられている。その中には、奇異をてらい薀蓄を披露するような神話の出来事を矛盾がないように現実に結びつけられており由来や理由が説明されている。学識のある詩でもあり、恋愛詩でもある。
第一巻から第四巻をまとめてみる。「ペリアス王(父アイソンの王位簒奪者)の命令により、イアソンはギリシア中の英雄達と共にアルゴ船で、黒海のコルキスへと金羊毛皮を持ち帰るため出発する。第一巻~二巻は、コルキス到着までの出来事が書かれている。立ち寄る島々での出来事や仲間同士の内輪もめなどがある。第三巻では、英雄イアソンへの恋に落ちる王女メデイアの恋が発端から書かれ一連の心の動きがわかるようになっている。その中でのイアソンに対する想いやそのことによって、父親また祖国を裏切る...