大学院でのレポートです。教育方法でのレポートですが、原理、教師論などでも活用できるかと思います。
「子どもの支援の原理について」
1.生きづらさを抱える子どもたち
新自由主義が浸透している現代の日本社会。小泉政権での構造改革以降、そのイデオロギーに拍車がかかったことで、私たちの生活は180度変わり、ワーキングプアや貧困問題といった新たな問題が起き、社会的な動揺を招いている。
萱野稔人氏 は、そういった現状を受け、「いま、この社会では多くの人が『生きづらさ』をかかえながら生きています。たとえば、人間関係のなかで精神的な『生きづらさ』をかかえている人もいれば、貧困からなかなか抜けだせなくて経済的に『生きづらい』という人もいる。社会のなかで疎外感や居場所のなさを感じて『生きづらい』という人もいます。」と述べ、その苦境や悲惨さを指摘している。
また、折出健二氏 は、現代社会の構造的なありかたを、「現代社会は新自由主義的な個人主義・競争淘汰の拡大を特徴としている。」「社会構成原理においては、一人ひとりが自己責任を持って市場経済や公私の生活に対処すべきだという個人主義の徹底が進められる」「社会生活の変貌を通じて、学校を初めとして子どもたちの身近な関係性が壊れやすくなり、実際には他者協力や援助...