福祉サービスを行う諸団体について
福祉サービスという言葉は、法的には1990年の社会福祉事業法改正時から使われるようになった。2000年の社会福祉法改正以前の社会福祉事業は国や地方公共団体、社会福祉法人による独占的なものだったが、改正後の規制緩和によって医療法人、NPO法人、企業等、さまざまな団体が参入している。本稿では代表的な団体とその特徴について述べる。
社会福祉法人
社会福祉法22条で「社会福祉事業を行うことを目的とし、この法律の定めるところにより設立された法人」と定義されている。設立には定款が必要で、原則的には主たる事務所の所在地である都道府県知事の認可を受け、登記をもって成立する。公共性が強く営利を目的としないが、本来の事業に支障がない限り公益事業と収益事業を行うことができる。法人の事業を執行する理事、執行と財務を監査する監事を置くことが同法36条に定められており、重要事項の諮問と理事・監事の選任を行う評議員会を置くこともできる。社会福祉事業・公益事業は法人税・事業税等が非課税で、国や地方公共団体からの補助金を受けることもある。
医療法人
1950年の医療法改正によって生まれた法人であり、病院・診療所...