終末期ケアにおいて社会福祉士にできることとは
終末期ケアの基本的概念の説明と、社会福祉士ができることや必要な知識と技術はなにかをまとめたものです。
<終末期ケアにおける基本的概念について>
終末期についての明確な定義はないが、一般的には「医学的に治癒不能な状態であると診断され、余命が6ヶ月以内の状態」といわれている。終末期ケアは、ターミナルケアとも言われている。ターミナルケアとは、「回復の見込みのない疾患の末期に、苦痛を軽減し、精神的な平安を与えべく施される医療・介護」と記されている。(広辞苑6版参照)
終末期ケアの問題点としては、回復の見込みがない疾患であるということと、末期というとらえ方である。例えば、進行した癌のように、数ヶ月で死に至る場合もあれば、慢性疾患のように、必ずしも死に至ることがないものもある。また、高齢者のように、老化に加えて疾病を抱えた場合、いつ何が起こるか分からない状況になる。このように、対象者の状態に伴い多様な状況が生まれるため、1人1人のニーズに沿った援助を行う必要がある。「医学」がどんなに進んでも、ハイデガー氏(哲学者)が、『人間は死への存在である』と定義したように、命あるものは必ず死ぬという事実を避けることはできない。死について明確な時期が定まっていないからこそ、日々の生活はとても大切で、「より...