佛教大学通信、「哲学概論」「哲学概論1」、第2設題(第三章「知識の問題」第一節「認識の意味」の内容を要約せよ。
そしてテキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。)のA評価リポートです。
採点者の所見は、「自分なりのコメントが不足している。テキストの内容について思い切って、自分なりの意見を提出してみること。内容に即した自分の経験に基づく議論を試みること。」でした。
学習を進める上での参考にしてください。
第2設題 第三章「知識の問題」第一節「認識の意味」の内容を要約せよ。そしてテキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。
認識論における本質的な問題は、合理論(rationalism)か経験論(emipiricism)かいう点である。すなわち、認識がすべて単に主観的(個人的)で偶然的であるのか、あるいは必然的、普遍妥当な認識があるのかという点である。普遍妥当的に真実な認識をめぐって、認識能力それ自体が検討されるところに、認識の問題が出てくる。
確かに、主観的な感覚は虚偽であり、それは何らの存在についての認識でもない。感覚は無についての幻のような表象であって、理性的認識だけが真実に存在を捉える。けれど、感覚的認識は普遍的な存在を捉えるものでは無いかもしれないが、それが全く虚偽であり無であるとすれば、わたしたちは生成・変化する存在というものをも、認識することが出来なくなってしまう。その意味では、感覚は何らかの真実性を持っているとせざるを得ないのである。
プラトンは、「洞窟の譬え」の中で、存在には四つの種類があり、それらが段階的であることを示した。一つは壁面に投射されている影像の認...