まず、次の例を見ていただきたい。
a. the sleeping baby (眠っている赤ん坊)
b. the sleeping bag (寝袋)
c. waiting people (待っている人たち)
d. a waiting room (待合室)
上の例を見るとある種の疑問を抱くだろう。それは準動詞において動名詞なのか現在分詞なのかである。現在分詞と動名詞は形態的に同一であるため、一見して見分けがつかなくなってしまう。本稿はこの識別法を統語的・意味的に、そして音韻的に解釈していくことが目的である。統語的・意味的識別法は主要語(head noun)が〜ingの意味上の主語になれるかどうか、つまり、この名詞を先行詞にして関係代名詞を用いて書き換えられるかどうかが基準となり、音韻的識別法は第一強勢(primary stress; ’ で表す)がどちらの語に置かれるかが基準となる。
統語的・意味的識別法から考えてみる。上で出した例はそれぞれ次のように解釈可能である。
e. the baby who is sleeping
f. the bag used for sleeping
g. people who are waiting
h. a room used for waiting; a room for people to wait in
これらの書き換えが示すようにa.の主要語であるbabyがsleepingの意味上の主語になりえるのでe.へと書き換えることができる。つまり、赤ん
まず、次の例を見ていただきたい。
the sleeping baby (眠っている赤ん坊)
the sleeping bag (寝袋)
waiting people (待っている人たち)
a waiting room (待合室)
上の例を見るとある種の疑問を抱くだろう。それは準動詞において動名詞なのか現在分詞なのかである。現在分詞と動名詞は形態的に同一であるため、一見して見分けがつかなくなってしまう。本稿はこの識別法を統語的・意味的に、そして音韻的に解釈していくことが目的である。統語的・意味的識別法は主要語(head noun)が~ingの意味上の主語になれるかどうか、つまり、この名詞を...