健康情報学PBL

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    資料紹介

    資料の原本内容

    健康情報学レポート 課題番号2
    2010/07/16 提出
    まず初めに、課題番号2の日本の介護保険制度に関して現行の制度とSGDのレポートをまとめた。日本の介護保険制度は国及び地方自治体からの50%、第一号被保険者および第二号被保健者からの保険料50%を財源としており、2年サイクルで決算を行っている。要介護・要支援状態の被保険者は、在宅サービスおよび施設サービスを1割負担で受けることができ、残り9割は保険料によって賄われる。また一定以上の負担がある場合には、財源からの払い戻しがある。保険料は各地方自治体によって決定されているため財源負担の割合は人口構成や地方自治体の財政状況、介護施設の方針などにより異なっている。現在では制度確立後、一部が見直されており、在宅でサービスを受ける場合と施設などに入居してサービスを受ける場合の自己負担のアンバランスが解消されている。
    この制度を利用する上で現在問題となっているのは、主に利用者増大による保険費用の増大、ケアマネージャー・介護労働者の人員不足による労働条件の悪化、地方による収入格差などである。この問題は日本における人口構成の急激な変化からくる影響であると考えられ、現行の制度自体を抜本的に変える必要性はないと考える。
    問題の解決策としてSGDのレポートに挙がっていたことをまとめると、第二号被保険者の年齢の下限を下げること、被保険者の負担基準を国が一括して規定すること、さらなる少子高齢化を防止する対策、施設の増設および介護労働者増員のための教育支援などがあった。
    第二号被保険者の年齢の下限を下げることは生産年齢階級の家計の圧迫につながるため、安易に行うべきではないと考える。国民年金の負担額や将来的には消費税等の増税が予想される中で、これ以上負担が増えると出産・育児をする経済的余裕がなくなってしまう。たとえ出産できたとしても出産・育児にかかる費用や託児所不足などにより女性の職場復帰が難しく、少子高齢化を進行させるのみならず、国全体の税収の減少が予想される。一方、第一号被保険者と第二号被保険者の人口は今後さらに増加すると考えられる。この年齢階層内で収入と負担のバランスを探ることで財源確保を図る余地があると考える。具体的には、第一号・第二号という二つの区分ではなく、所得などによって保険料負担額にさらなる階層を設けることが挙げられる。
    国が一括して負担基準を規定するという案に関しては、私は賛成しない。労働者の人口や分布には都道府県間で差があるし、同じ都道府県においても地域によって所得階層が大きく異なる場合もあるからである。各地域の財政状況や議会の意見を反映すべきであるという観点から、現行の制度を支持する。また、国が全てを把握するのは煩雑で人件費の浪費や人為的ミスの増加にもつながる。一方、財源的な支援制度は国が一括して改定するべきだと考える。つまり、所得階層の格差や要介護となるリスクが高い後期高齢者加入率などの影響で財源が厳しい地方自治体を考慮し、調整交付金を外枠でとるなどの制度改革をするべきである。
    様々な解決策が考えられるが、財源の確保が最も困難な問題である。消費税などの増税によって財源は確保できる反面、生産者世代の可処分所得の減少は将来的な税収を低下させる一因となる。SGDの資料にもあったが、このような社会保険制度の問題解決には少子化のさらなる進行を防止することが最も重要であると考える。限られた財源は託児所の充実や育児休暇制度の充実、妊婦健診の負担軽減などに優先して充てるべきである。

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