愛・地球博ボランティア活動報告

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    愛・地球博ボランティア活動報告
    2005年、愛知県の長久手町・豊田市と瀬戸市の2会場で開催された愛・地球博。
    筆者はこの万博に「美化・分別」担当のボランティアとして参加した。

    資料の原本内容

    愛・地球博ボランティア活動報告
    2005年、愛知県の長久手町・豊田市と瀬戸市の2会場で開催された愛・地球博。筆者はこの万博に「美化・分別」担当のボランティアとして参加した。本レポートでは、筆者の万博ボランティア体験前後のボランティアに対するイメージや、ボランティア活動の様子などを述べていきたい。
    活動前の「ボランティア」に対するイメージ
    今回の万博ボランティアに参加する前、私のボランティアに対する漠然としたイメージは「ボランティアそのものが流行の対象になりつつある」というものであった。こうしたイメージを持つようになった理由の1つは、今回の万博ボランティア希望者数が想像以上に多かった点にある。当初、ボランティア募集時点では、「万博期間中に1人20日程度参加してもらう」という話であったが、実際には万博ボランティア協会の想定以上にボランティアが集まった。その希望者数は、ボランティア募集のしめきり前に協会の想定募集人数を超えるほどであった。協会は「1人20日」というめどを変えて、全ボランティアに均等に参加してもらうべく、最終的には「1人5日」という形になった。これは万博に対する関心の高さを示したと同時に、日本でここ数年ボランティアに対する関心が急速に高まっている状況を示す一例となったといえるだろう。
    事前研修会で得た意外なイメージ
    想像以上に集まった万博ボランティア。どれくらいの年齢層が中心となり集まったのかがとても気になっていた2004年の夏、事前研修会でその一端を垣間見た。個人的な予想としては、比較的若い世代が中心となり応募者数が増加したのだろうと考えていた。しかし、会場に来た参加者の構成は予想とは正反対のものであった。私が参加した事前研修会会場の構成は、40代以上が約8割を占め、それに続いて30、20代が続き、10代の参加者はほとんど見当たらなかった。地震などの大規模災害時にTV画面に映る、全国各地から被災地に集まる若者の姿などから、自然と心のどこかで「日本のボランティアは若い世代が多い」というイメージがあったので、会場を見渡したときに年配の方が大多数を占めている光景が意外であった。事前研修会に参加したことによって、今までのボランティアに対するイメージが少々偏っていたことに気づかされた。
    いつ、どこで、どんな活動を
     私は「美化分別」担当として万博ボランティアセンターに登録し、合計で6日間、長久手会場でボランティアに参加させてもらった。今回がボランティア初体験の私にとって、万博ボランティアは非常にやりやすいものであった。センターに登録すれば向こうが日付・時間を指定し(変更可)、活動日時・内容などが確定するとそれらを掲載したスケジュール表やユニフォームや帽子、ショルダーバッグなどを無料配布するきめ細やかさであった。すべてが整えられた上でのボランティアがいかがなものかという問題はあるかもしれないが、ボランティア初体験者にやさしく、参加のしやすい形式に私自身ありがたく感じた。 
    2005年
    5月10日(火)PM17:30~22:30 遊びと参加ゾーン
     ボランティア初日。万博会場に行くのは、事前研修会以来。3限目の講義が終わり、少し緊張した面持ちで万博会場行きのスクールバスに乗り込んだ。万博期間中、臨時バスを会場まで出すという大学の方針はずっと前から知っていたが、実際にどんな人が利用しているのかが気になっていた。座席に座り、万博にそのまま遊びに行く人もいるのだろうか、などと考えていると、少しずつバスの中に人が入り始めた。バスはまばらな数の学生を乗せ、動き始めた。前に座った2人組の女子大生の会話が耳に入ってきた。どうやら1人は会場内でバイト、もう1人はリニモで通学しているらしい。このバスをよく利用している様子。そんなことがわかり始めたとき、バスは会場前に到着。関係者用の入口に向かった。入口前には警備員が2人立っていて、中に入ろうとする関係者に日付が大きく記載されたパスの提示を求めていた。私もネックストラップに入れたパスを提示し、得意げに通過。
    西ゲートボランティアセンターに向かった。ボランティアセンターの受付でIDカードを提示すると、ロッカーの鍵を渡された。小さいが、たくさんのロッカーが室内の奥に完備されていた。ボランティア用の黄色いベストと帽子を被り、ショルダーバッグを提げて準備完了。集合時刻になると、各エリア別にボランティアリーダーによる点呼が始まった。男性と女性の割合は半々。リーダーから、2人1組で「ごみ箱マップ」に記載されたゴミ箱を順番にまわってくださいという説明があり、リーダーがランダムに名前を挙げてパートナーを決めていった。私のパートナーは60代の男性。普段ほとんど接点のない世代の方だったので、上手くコミュニケーションがとれるか不安であったが、一緒に歩きながらお互いの自己紹介をしているうちに、息子さんがちょうど私と同じ年代ということがわかり、息子さんの話でいくらか打ち解けた。その男性は1度定年退職されてから、今は再び再雇用(継続雇用?)という形で元の職場に戻り仕事をこなしている人であった。仕事は忙しいが、退職前に比べれば楽なものだから空いた時間にボランティアに参加してみようと思ったと、おっしゃっていた。この男性はこの日が2(3?)回目の活動ということもあり、来場者の方に質問されたときの受け答えが非常に慣れていて、会場内の地理も詳しかった。次の活動日までには万博についての予習が必要だと痛感した。
    リーダーから説明されたこの日の活動内容は、チェックポイント感覚でゴミ箱をまわりながら、途中の道端やゴミ箱の周辺にごみが落ちていれば拾うということと、その途中で来場者の方に質問されれば、丁寧にご案内することなど。事前研修会までは、美化分別担当のボランティアは10種類以上に分割されたゴミ箱の前に立ち、そこでごみを捨てにきた人々に分別の案内をするというのが役目だと聞かされていたので、リーダーから説明された活動内容は意外であった。だが実際に歩いてみると、リーダーのことばの意味がよくわかった。来場者はごみの分別意識が高いらしく、ゴミ箱周辺で分別に困っている人の姿やごみが放置されているようなことは皆無であった。その上、ゴミ箱に向かうと必ずと言っていいほど、清掃スタッフの方がゴミ袋の片付けや取替えをしていて、ごみを捨てにくる人々は清掃スタッフの方に質問をしていた。この光景を初めてみたとき、ボランティアの中に「美化分別」担当は必要なかったのではないかとすら感じた。平日の夕方~夜ということもあり、担当区域の「遊びと参加ゾーン」の人影は少なく、歩いていても質問される機会は少なかった。パートナーの男性と、みんな分別意識・知識が高いから分別の案内はそんなに出番がないという話をしているうちにこの日の活動は終了した。
    6月3日(金)PM17:30~22:30 西エリア
     少し遅刻するのが事前にわかっていたので、昼過ぎにボランティアセンターに遅刻する旨を電話で連絡しておいた。だから集合時刻より30分近く遅れて、西ゲートボランティアセンターに到着。当然他のボランティアはもうそこにはいなかったが、ボランティアリーダーがいた。パートナー代わりとして一緒にまわるために待っていてくれたらしい。そのリーダーの方は、留学生のホームステイの受け入れなどをよくしているボランティア経験豊富な女性。娘さんが偶然にも私の通う大学の卒業生だったらしく、学長にもお会いしたことがあると聞いて驚いた。その方はボランティア以外でも何度も万博を訪れては、色んなパビリオンを巡って情報収集をしているとおっしゃっていた。国際感覚豊かな話は、聞いているだけでとても楽しめた。そんな楽しい話をしてくださりながらも、周囲にもしっかりと目を配り、来場者の方が声をかけやすい雰囲気を醸し出していた。来場者の方から寄せられる質問は、すべてその人にまかせっきりとなってしまった。アジア系のカップルに写真を頼まれたので、「これぐらいは私が」と思ったときには、隣でさきに一歩越され、カメラを受け取ろうとしていた。その俊敏さには驚いた。しかし、そのカップルは自分たちの写真を撮ってほしかったわけではなく、カップルの彼女の方がわたしと写真を一緒に写りたいと言ってきたのでこれまた驚いた。少し照れながらぎこちない笑みでシャッターに収まった。休憩をはさんで、リーダーに代わるパートナーを紹介された。偶然にも同い年の大学1年の女性であった。この人がまたそのリーダーに負けず劣らずよく喋り、歩くのが早く、ついていくだけで精一杯であった。
     この日もゴミ箱の前に立つというマニュアルどおりの方針ではなく、歩きながら来場者の方をご案内するのがメインであった。エリアごとにどのように活動するかはそこの担当リーダー次第で、マニュアルどおりにゴミ箱の前に立っているエリアもあるということをこの日出会ったエネルギッシュなリーダーが教えてくださった。
    7月3日(日)PM17:30~22:30 西エリア
     この日は雨。ボランティアセンター内で点呼のときに、かっぱが配布された。今までのように2人1組ではなく、私は1人でゴミ箱をチェックポイントにして歩くように指示を受けた。その前に会場内でスタッフの方が使用している携帯端末の研修にボランティアから1名でるようにリーダーから言われ、私が研修を受けることになった。専門スタッフの方からは、次世代携帯電話の実証実験として万博スタッフの間では広く使われているという説明、基本的な操作方法などを30分くらいで教えていただいた。まだまだ使い勝手が良いとは言えなかっ...

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