教育心理学(2単位)第1設題
アタッチメントについて説明し、その後の人間関係に与える影響について述べよ。
この世に誕生してきた子どもにとって、特にその成長の初期段階には、養育者の存在が不可欠である。多くの場合、乳幼児の身近にいて世話をし、遊び相手にもなってくれる母親である。
乳児は授乳、おしめの交換など母親の働きかけによって、成長が確保される存在である。生後1ヶ月を過ぎる頃から、母親と目が合うようになる。その眼差しには、この世界を見ようとする主体性が感じられる。生後2・3ヶ月になると、母親の笑いかけに乳児は笑い返し、小さな手を握るとギュッと握り返してくる。このように、見る、見られる、握る、握り返す、抱く、抱かれるという関係性がそこに生まれる。それは、能動・受動のやり取りであり、「相補性」と呼ばれるものである。
乳児は母親からの働きかけを受動的に受け止めるだけの存在ではなく、乳児自身が笑ったり、声を出したり、泣いたりと、母親に積極的に働きかける主体的な存在である。つまり、母子関係は、相互的なものなのである。そして、日々の関係性の積み重ねは、やがて母子の間に、深い愛情を生み出して...