消滅時効と除斥期間の異同

閲覧数2,004
ダウンロード数7
履歴確認

    • ページ数 : 7ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    消滅時効と除斥期間の異同を論じなさい。(2011年度第3課題、評価B)

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1、消滅時効と除斥期間の制度と趣旨

     消滅時効とは、権利の不行使が一定期間継続することによって権利が消滅する制度である。これに対し除斥期間とは、法が定めた一定の期間内に権利を行使しないと、その期間の経過によって権利が当然に消滅する制度である。両者は、期間が経過することにより権利が消滅し、行使できなくなってしまう点で共通する。しかし、両者はその趣旨・目的において異なっている。

     消滅時効の場合、これは消滅時効に限らず時効制度においていえることだが、永続した事実状態の尊重、権利関係の立証の困難の救済、権利の上に眠る者は保護しない等の多元的な要請により、一定の事実状態の上に形成された権利の当事者間の利益調整を目的としている。

     他方、除斥期間は、当事者間の利益調整ということではなく、法律権利関係の紛争の早期解決、法律関係の安定に尽き、専ら公的要請に基づくものである。

    2、消滅時効と除斥期間の異なる点

     この二つの制度には、いくつかの違いが以下の通り、挙げられる。

     (1)中断の有無

     消滅時効の要件は単に時間の経過ということではなく、権利不行使の継続が必要であり権利者が権利を行...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。