信用状独立の原則について説明せよ。
信用状独立の原則とは、銀行と依頼者との間に信用状契約がされれば、売買の当事者間の売買契約の条約があったとしても、信用状の条項だけで当事者間の権利及び義務は決定されるという原則である。つまり、信用状契約は売主・買主間の売買契約とはまったく別個の独立した契約ということである。この原則について1993年信用状統一規則第3条には、「信用状は、その性質上、それが売買契約またはその他の契約に基づいていても、そのような契約とは別個の取引である。」とある。また、同規則の第4条には、「信用状取引においては、すべての関係当事者は、書類を取扱うものであって、それらの書類が関係する物品、役務、その他の行為を取扱うものではない。」と定めている。 信用状独立の原則の存在意義には次の3つが考えられる。①受益者の保護②発行銀行の保護③信用状メカニズムの保護①の受益者の保護についての信用状独立の原則の目的は、買主の支払能力、物品の品質または価格などに問題が起きても、発行銀行に売主への支払いを義務付けることである。これにより、受益者に売主が信用状金額の受取人であることを確実にすることで、受益者を保護する役割を果たしてい...