精神保健福祉士が行う退院意欲の薄い精神障害者に対する退院支援について、具体的事例を交えて説明しなさい。(A判定・1907文字)

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    精神保健福祉士の中心となる役割として、社会的入院など、長期入院している精神障害者の退院を促すことがあげられる。入院が長期化するに伴い、「退院したい」との思いが薄らいでくる傾向がある。以下に、退院意欲の薄い精神障害者に対する退院支援について、Nさんの事例を交えて述べたいと思う。
     Nさんは36歳の女性で、診断名は統合失調症である。これまで精神科病院への入院が2回あり、今回の入院期間は8年になっている。Nさんは×県×市で、工員をしていた父と内職をしていた母の第一子として出生する。4年後に弟が誕生するが、生まれつき重度の障害があった。弟は生まれた時から病院や施設での生活がほとんどであった。父はギャンブル好きで、仕事も休むことが多く、家族はいつも着る物や食べる物に困るほど貧しい生活をしていた。中学を卒業すると同時にZ県の工場に就職し、その寮で生活することになる。18歳の時に、職場の先輩と恋愛関係になるが、結局失恋してしまう。そのことがきっかけとなり、精神的に不安定な状態となる。職場でもさまざまなトラブルを生じさせることになり、結局職場を追われ、両親の元に引き取られることになる。それからも、家族...

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