上腕骨骨折に対する評価
Ⅰ.問診
(1)主訴:現在の主な苦痛や機能障害.
(2)現病歴:受傷機転を採る.その上で,これまでどの部位で代償が行われてきたか,または今後行われそうか,それが日常生活に影響を及ぼす可能性があるか考察する.
(3)利き手
(4)既往歴:出生時から現在に至る,健康状態の把握を目的とする.
(5)職業:職業特性により起こりやすい障害を予測する.上肢の使用頻度を把握し,職場復帰にどの程度の機能回復が必要か検討する.通勤手段が何であるか.
(5)patient profileの確認:受傷前及び現在の活動量,生活パターンの把握.今後,どの程度の治療負荷を与えていくことが可能かの判断基準になる.
(6)日常生活範囲の環境:復帰に際しての具体的なゴール設定や能力条件設定の補助になる.
Ⅱ.視診
姿勢や立居振る舞い,体位変換のスピード,衣服着脱の状況などを観察する.両側を対称的に観察する.
(1)筋萎縮または筋肥大の有無.
(2)腫張:局所性か広範か.
(3)皮膚の異常:発赤は皮膚血流量の増大を意味し,急性炎症時に現れる.皮膚蒼白は動脈血流障害を意味する.
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