生活科のこれまでの歩みをまとめるとともに実際の授業における教育的成果と課題を明らかにし、生活科のこれからの展望について具体的なことがらを示して述べよ。
生活科のこれまでのあゆみ
小学校低学年の教科構成の在り方は、昭和四十年代からの課題だった。そして、その後二十年の歴史を経て生活科は新設された。昭和三十年代終わりころから四十年代にかけて、低学年の社会科や理科の在り方が問題となった。昭和五十年代にはいると、低学年における社会科と理科の内容を中心とした新教科設定の考え方が出され、検討が進められるようになった。ところが、合科的な指導の実施状況は必ずしも好ましいものではなく、順調な歩みとはいえなかった。そうした状況の中、低学年教科再構成が再び指摘され始め、改めて検討が始まった。新教科生活科の新設にあたり、昭和六十二年十二月の教育課程審議会の答申では生活科親切のねらいを以下の四項目に集約して示している。その一つは「低学年児童には具体的な活動を通して思考するという発達上の特徴が見られるので、直接体験を重視した学習活動を展開し、意欲的に学習や生活をさせるようにする。」その二つは、「児童を取り巻く社会環...