「生きる力」の育成と道徳教育について述べるよ。
第5・6次学習指導要領は個性の尊重や豊かな人間性、生きる力の育成に重きを置いている。第5次改訂では「生命に対する畏敬の念」が加えられ、「主体性のある」日本人の育成を強調した。その後、第15期中央教育審議会第一次答申に「生きる」力の育成が盛り込まれる。これを踏まえ、2002年からの小中学校の学習指導要領には
豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。
自ら学び、自ら考える力を育成すること。
ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の定着を図り、個性を生かす教育を充実させること。
各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること。
と、まとめられ、具体的には、「ゆとり」中で自ら学び、自ら考える力などの「生きる力」の育成、教育内容の厳選と基礎・基本の徹底、個性を生かす教育の推進、教育課程の基準の大綱化・弾力化、「総合的な学習時間」の創設などが改訂の基本的なねらいになっている。この背景には、1990年代に活発な学力低下論争が巻き起こり、その結果、文部科学省は2002年1月に「確かな学力の向...