1.はじめに
人間の生活の営みには、常に社会という存在が深く関わっている。「社会」という言葉を聞くと、とかく就労の場等の一般社会を想像してしまうが、それだけにとどまらない。そこには、家庭・学校といった人数の大小を問わない集合体も含まれている。要するに社会は、相手や場所・規模に違いはあれ、どこにでも存在するグループなのである。この「社会」というグループの中で人間はたくさんの人々と接し、日々起こる数々の難題に対して解決できるように取り組んできた。その過程には、人間が生きていくために必要な知識・技術が駆使されており、その中の1つに集団援助技術(以下、グループワーク)がある。以下で、このグループワークについて述べる。
2.グループワークの沿革と定義
グループワークとは、複数の個人で構成されたグループ内での成員間の相互作用を活用して、ニーズの充足を図る問題解決法・技術である。グループワークにつながる援助活動が生まれたのは19世紀中頃過ぎである。19世紀中頃のイギリスでは貧富の差が激しく、人口の多くが都市に流入する等、浮浪者が増加し、犯罪の横行など膨大な社会問題が生じた。その頃慈善組織協会(COS)が設立された。
集団援助技術(グループワーク)についてまとめよ。
1.はじめに
人間の生活の営みには、常に社会という存在が深く関わっている。「社会」という言葉を聞くと、とかく就労の場等の一般社会を想像してしまうが、それだけにとどまらない。そこには、家庭・学校といった人数の大小を問わない集合体も含まれている。要するに社会は、相手や場所・規模に違いはあれ、どこにでも存在するグループなのである。この「社会」というグループの中で人間はたくさんの人々と接し、日々起こる数々の難題に対して解決できるように取り組んできた。その過程には、人間が生きていくために必要な知識・技術が駆使されており、その中の1つに集団援助技術(以下、グループワーク)がある。以下で、このグループワークについて述べる。
2.グループワークの沿革と定義
グループワークとは、複数の個人で構成されたグループ内での成員間の相互作用を活用して、ニーズの充足を図る問題解決法・技術である。グループワークにつながる援助活動が生まれたのは19世紀中頃過ぎである。
19世紀中頃のイギリスでは貧富の差が激しく、人口の多くが都市に流入する等、浮浪者が増加し、犯罪の...