行政法 処分取消し訴訟

閲覧数2,346
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1(1)まず、取消訴訟を提起するには、訴訟要件である原告適格を満たす必要がある。
    原告適格とは、取消訴訟においてその処分の取消しを求めて出訴することのできる資格をいい、当該処分の取消しを求める「法律上の利益」を有する者に認められる(行訴法9条1項)。
    そして、「法律上の利益」については、?法律上保護された利益説、および、?法的な保護に値する利益説の2つの考え方がある。この点、法的な保護に値する利益説は、訴えの利益は、違法な行政処分によって原告が受けた不利益が裁判上の保護に値するかどうかどうかによって判断されるべきであるとし、「法律上の利益」とは、法的な保護つまり裁判上の保護に値すると考えられる利益であると解する見解である。
    しかし、この見解は、原告適格の判定について明確な判定基準を見出しえず、訴えの利益の認定が解釈者の恣意に流れるおそれがあるため採用できない。
    思うに、基準の明確性を確保する見地から、「法律上の利益」は法律の規定の解釈により導かれるべきである。
    そこで、「法律上の利益」とは、法律上保護された利益と解すべきであり、「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利もしくは、法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれがある者をいうと解すべきである(法律上保護された利益説(判例))。

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    札幌地裁平14.12.19について、パチンコ店Xの救済方法
    本問Xが出店を実現するためには、行政庁に対する処分取消訴訟による救済方法が考えられる。以下、①原告適格の有無、②裁判所の審査の範囲に照らし検討する。
    1(1)まず、取消訴訟を提起するには、訴訟要件である原告適格を満たす必要がある。
    原告適格とは、取消訴訟においてその処分の取消しを求めて出訴することのできる資格をいい、当該処分の取消しを求める「法律上の利益」を有する者に認められる(行訴法9条1項)。
    そして、「法律上の利益」については、①法律上保護された利益説、および、②法的な保護に値する利益説の2つの考え方がある。
    この点、法的な保護に値する利益説は、訴えの利益は、違法な行政処分によって原告が受けた不利益が裁判上の保護に値するかどうかどうかによって判断されるべきであるとし、「法律上の利益」とは、法的な保護つまり裁判上の保護に値すると考えられる利益であると解する見解である。
    しかし、この見解は、原告適格の判定について明確な判定基準を見出しえず、訴えの利益の認定が解釈者の恣意に流れるおそれがあるため採用できない。
    思うに、基準の明...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。