子どもの生活は遊びで成り立つといわれる程、子どもにとっての遊びは重要である。保育所保育指針や幼稚園教育要領では、遊びを通して保育を行い、遊びを通して保育のねらいが総合的に達成されると示している。そこで本稿では、遊びを通した総合的な指導について論じる。
遊び
遊びの本質は、人が周囲の事物や他の人と思うがままに多様な関わりを持つことに夢中になり、時間も忘れ、心や体を動かし周囲へのかかわりを楽しむことである。乳幼児期の遊びとは、結果を求めることを重視するのではなく、遊ぶこと自体が目的なのである。
そして、保育園や幼稚園では、登園後多くの子どもが何かの遊びに向かっていく姿をよく目にする。これは自分のしたい遊びを自らが見つけているのであり、誰かにさせられているのではない。しかし、誰かに強制されいやいやながらする遊びでは、そのうち子どもはその場から離れ別の魅力的な遊びに移行していく。つまり、遊びは子ども自らが自発的に行う活動なのである。
遊びの意義
遊びには、乳幼児の成長発達のために重要な事柄や体験を多く含んでいる。運動遊びでは、身体動かすことで年齢に応じた体の動きの獲得し、筋肉や...