「保育の現状と課題について述べよ」
最初に、保育という言葉の現在の意味について改めて述べる。現代社会では、保育所での集団施設保育について述べている、保育所保育指針に「養護と教育が一体となって豊かな人間性を持った子どもを育成すること」とある通り、保育とは養護と教育が一体化したものであると考えられている。しかし現状は、様々な課題や問題があり、また、各問題や課題によるニーズに応えるため、保育の方法自体にも様々な変化が起こってきている。以下、それら各問題や解決策、またそれによる保育方法の変化などを中心とした、保育の現状について述べる。
まず、現代の保育の問題・課題を列挙していく。第一の現代の保育の課題・問題として、核家族化が挙げられる。夫婦と子供から成る、いわゆる夫婦家族と母子家庭、父子家庭などの「ひとり親家庭」が増加傾向にあるのだ。このような家族構成が増えてきた背景には、高度経済成長や都市化、少子高齢化などの社会環境の変化がある。しかし、核家族は「社会からの干渉から隔離された空間」を求める近代家族の心情的理想から生まれてきたものでもある。その意味で、核家族は外から邪魔をされずに家族愛を...