「我が国の乳児・新生児死亡率について述べよ。」
乳児の生存は母体の健康と養育条件などの影響を強く受ける。そのため一年間の出生・出産数を1000にした時の1歳未満の死亡数である乳児死亡率は、その地域の衛生、医療の善し悪しの状態、ひいては経済や教育を含めた社会状態を反映する指標の一つと考えられている。以下、我が国の乳児・新生児の死亡率について、諸外国との比較も交えながら、原因などといったその特徴について考察していく。
我が国の乳児死亡率は大正末期までは150以上であったが、1940年には100以下になり、第二次世界大戦後、急速に低下してきた。うなわち、乳児死亡率は1952年に50を割り、1975年には10.0となり、以降毎年改善され、1998年にはわずかに3.6、2000年には3.2となっている。
この乳児死亡率を欧米諸国と比較すると、わが国は世界最低率の水準であり、日本3.2(2000年)、スウェーデン3.7(1997年)、ドイツ4.5(1999年)、フランス4.8(1998年)、イギリス5.8(1999年)、アメリカ7.2(1998年)の順となっている。また、生後4週未満の新生児...