福祉という言葉には広義の福祉と狭義の福祉がある。広義の福祉とは、対象が限定されていない人々の幸福という言語的な意味であり、一方、狭義の福祉とは社会的に弱い立場にある人々への援助や支援といった対象となる人が限定されている意味として位置づけることができる。
ここでは、現代社会における保健医療と狭義の意味での福祉政策の課題について述べたい。
保健医療とは、予防や治療・リハビリテーション及び健康増進までを含み、人間の健康と生活を維持するために必要不可欠な基本的ニーズに対するサービスである。したがって、医療と福祉の関係は、両者が人間の福祉を対象とする以上、密接に連携されるべきである。ところが、日本の医療...