算数科指導法 第1分冊

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    <課題1>

    日本の数学教育は、第二次世界大戦を境に大きく分けられる。戦前・戦中は中等教育を修了する者は少なく、初等教育の修了は一般的市民の最終学歴であった。そのため、日常生活で必要となる数学的な基礎知識と計算などの基本技能の習得が算数教育の重点であった。戦後は中学校まで義務教育となり、文字を使った計算である代数や図形の性質を証明する幾何などを全員が習得することとなる。このことは現在でも続き、記号を使った計算や論証は中学から始められており、このことは、算数科の目標「数量や図形についての基礎的・基本的な知識および技能を身に付け」に結びつくと考察できる。

    明治38年に教科書国定制度へ変更され、この時の算術の目標から計算技術の教授が中心となった。昭和24年、生活の中に存在する問題を教材にして、それを解決する中で数学を教えようと、アメリカの進歩主義教育派の教育哲学に基づいた単元学習が取り入れられた。生活の中で数学を教えることは、現在の算数科の目標「進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる」に生かされていると示唆できる。昭和27年ごろからアメリカで数学教育の新たな改革が始まり、科学技術の...

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