次の場合、訴因変更は必要か?
(1)最判昭和46年6月22日(過失犯の訴因)の事例
(2)検察間の共謀共同正犯の起訴に対し、裁判所は訴因の異なる幇助の心証を抱いている場合。
1.小問(1)
(1) 本問では、裁判所は業務上過失致死罪における過失の態様につき、起訴状記載の訴因と内容の異なる態様の訴因につき心証を得、心証通りの事実認定をしている。そこで、訴因変更が必要ではないか。訴因変更の要否の判断基準が問題となる。
次の場合、訴因変更は必要か?
(1)最判昭和46年6月22日(過失犯の訴因)の事例
(2)検察間の共謀共同正犯の起訴に対し、裁判所は訴因の異なる幇助の心証を抱いている場合。
1.小問(1)
(1) 本問では、裁判所は業務上過失致死罪における過失の態様につき、起訴状記載の訴因と内容の異なる態様の訴因につき心証を得、心証通りの事実認定をしている。そこで、訴因変更が必要ではないか。訴因変更の要否の判断基準が問題となる。
(2)思うに、審判対象は公訴事実であるとする立場もあるが、現行法は当事者主義訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項)を採用しており、現行法下での審判対象は、検察官が提出した起訴状に記載された訴因と解すべきである(訴因対象説)。
とすれば、訴因は、①裁判所に対して審判対象を明らかにする機能(識別機能)と、②被告人に対し防御範囲を告知する機能(告知機能)を有することになる。
したがって、訴因はこのような機能を十分に果たしうるものでなければならず、訴因を単なる公訴事実の法律構成を示したもの(法律構成説)と考えるのは妥当ではない。→訴因は、一定の構成要件にあて...