当該資料の評定A、資料の冒頭部分を以下に記載する。
1アダム・スミスの「国富論」は、1776年に正規名称「諸国民の富の性質と原因に関する研究」として著作されたものである。この著書は、1759年の「道徳感情論」における「道徳的自由主義」の観点をさらに発達させ、「各人は正義の法を犯さない限り、…自分の利益を追求することが許される」とするいわゆる「経済的自由主義」の体系を示していると言える。本問では、この「国富論」の中でも特に重要な考え方を示している「分業論」と「価値論」について論述する。
課題
A.スミスの『国富論』における分業論と価値論について論述してください。
レポート
2011-G08-A-4 社会思想
片桐稔晴
1アダム・スミスの「国富論」は、1776年に正規名称「諸国民の富の性質と原因に関する研究」として著作されたものである。この著書は、1759年の「道徳感情論」における「道徳的自由主義」の観点をさらに発達させ、「各人は正義の法を犯さない限り、…自分の利益を追求することが許される」とするいわゆる「経済的自由主義」の体系を示していると言える。本問では、この「国富論」の中でも特に重要な考え方を示している「分業論」と「価値論」について論述する。
2この著書の正式名称にある「富の性質」と「富の原因」とは、前者を「そもそも富とは何か」、後者を「富を作りだす原因」という意味であり、文明社会の豊かさの秘密を解き明かすというものである。スミスは、文明社会が豊かであるその状態を、生活の必需品と便益品のいわゆる消費財が多く供給されている状態であると考えた。そして、文明社会が豊かになるためには、その消費財の供給源である「労働の生産諸力における最大の改善」があったためであ...