歴史科の目標のうちの一つに「身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通じて歴史に対する興味や関心を高め」(文部省『中学校学習指導要領(平成10年12月)解説−社会編−』大阪書籍、1999年、p82)ることがあげられている。これは、身近な地域をとりあげることによって、「抽象的・概念的で無味乾燥な歴史学習に陥ることを防ぎ、生徒の興味を喚起するとともに生徒が歴史を主体的に学習することを促すという趣旨」(文部省、p82)であるとされている。
地方自治法の大幅な改正、市町村合併や三位一体の改革など、地方分権が進む中、「中央」の補完としての「地方」ではなく、自立した存在としての「地域」の役割はますます大きくなるものとされている。しかし、その一方で、家族や社会のありようが変化したことなどから、学校・家庭・地域間の連帯は困難になっている地域も多く、またテレビやインターネットといったメディアの普及により、情報の地域格差(ディジタル・デバイド)はなくなり、情報を簡単に手に入れることの出来るようになった子どもたちは、我々とは全く別の新しい土地で生きているのではないかと思えるほど、シニカルな意識を持ち、地域への愛着を持つことが難しくなっている。
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地域史の課題
歴史科の目標のうちの一つに「身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通じて歴史に
対する興味や関心を高め」(
文部省『中学校学習指導要領(平成
10
年
12
月)解説-社会編-』
大阪書籍、
1999
年、
p82
)
ることがあげられている。これは、身近な地域をとりあげるこ
とによって、「抽象的・概念的で無味乾燥な歴史学習に陥ることを防ぎ、生徒の興味を喚起
するとともに生徒が歴史を主体的に学習することを促すという趣旨」(文部省、
p82
)であ
るとされている。
地方自治法の大幅な改正、市町村合併や三位一体の改革など、地
方分権が進む中、「中央」
の補完としての「地方」ではなく、自立した存在としての「地域」の役割はますます大き
くなるものとされている。しかし、その一方で、家族や社会のありようが変化したことな
どから、学校・家庭・地域間の連帯は困難になっている地域も多く、またテレビやインタ
ーネットといったメディアの普及により、情報の地域格差(ディジタル・デバイド)はな
くなり、情報を簡単に手に入れることの出来るようになった子どもたちは、我々とは全く
別の新しい土地で...