『枕草子』と清少納言
私は、以前から興味を持っていた清少納言の随筆『枕草子』について調べてみました。この『枕草子』は内容・形式が自由な三百段以上の章段から成る随筆で、清少納言が日々の思いを書き綴った作品です。そのため、清少納言の人柄や性格が随所に見られ、とても読みやすい作品だと思いました。では、この『枕草子』について見ていきたいと思います。
①作者~清少納言~について
この『枕草子』の作者である清少納言は清原元輔の末娘として生まれます。父である清原元輔は第二の勅撰和歌集である『後撰和歌集』を撰集した「梨壺の五人」の一人であり、曽祖父にあたる清原深養父もまた勅撰集に入集するような名高い歌人です。清少納言はこのような歌人の家柄の中、父が老年の時の娘ということもあり、非常に可愛がられて育てられたようです。この清少納言は『枕草子』の中で歌はあまり得意ではないと記されていますが、当時の女性としては珍しい漢文の教養に優れていたようです。そして、清少納言が十六、七歳のとき橘氏の長男である橘則光と結婚し、翌年には長男則長を出産します。しかし、則長の出産後、父の清原元輔も亡くなり、清少納言と橘則光は...