教育基本法の「改正」について論じなさい。
戦後まもなく制定された教育基本法は、私たちにおいて民主的な教育を支える根本的な法律であった。その教育基本法が2006年の12月に、実に60年ぶりに改正された。これに伴い、「学校教育法」や「教育職員免許法及び教育込む員特例法」、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」といった教育行政の関係法令が次々と改正され、「教育進行基本計画」の策定や「学習指導要領」の改訂がすすめられてきた。第3の教育改革と呼ばれるように、まさに教育の大改革が行われたのである。では、教育基本法の改正は、何の目的があって進められ、そこにどんな意味を持つのだろうか。
まず、はじめに、教育基本法とはどのような法律であるのかについて考察する。教育基本法は戦後すぐに日本国憲法とほぼ同時期に作られた法律である。その基本的性格については二つのこと、教育宣言的性格と教育憲法的性格を持ち合わせていると言われている。前者は、それまでの教育勅語を改めてとって代わるという宣言的側面であり、後者は、教育法の中における基本法、すなわち憲法的な意味を有する側面である。とくに憲法の基本的精神を教育分...