A判定
適応・不適応の心理的機制、またそれからひき起こされる特徴的行動について説明せよ。
欲求充足を阻害する障壁や困難にぶつかった時に、それに対処する仕方を働かせる心的機能の基本となる機制、あるいは適応への努力を「適応機制」という。「適応機制」は、自覚的・理性的であるか、妥当なものであるかという観点から、正常なものと異常なものに分けられる。欲求阻止による緊張や不均衡状態では、将来の破局が漠然と予期・予感されることがある。この状態が予期不安あるいは不安状態と呼ばれるものである。人が不安状態に陥る時には、その自我構造は崩壊の危機にさらされる。その点から、「適応機制」は、破局や危機を防ぐという意味で、「防衛機制」とも呼ばれる。この場合、破局からの防衛であるが、防衛のもとにある動機は不安である。そこで、まず不安に対して防衛していかなくてならないことになる。しかし、その時には明確な破局が予見できないために、その防衛処置は現実的とはならず、かえって適応の困難を招きやすい、その意味で、「防衛機制」それ自身、不適応の徴候とされることが多い。
以下、「防衛機制」の特徴を挙げていく。
「抑圧」心的エネルギーをその...