学校カウンセリングの意義、方法および今後の課題について述べなさい。
カウンセリングとは、大辞林によると「専門的な手続きに基づく相談。またその技法。個人のもつ悩みや不安などの心理的問題について話し合い、解決のために援助・助言を与えること」であると定義できる。精神分析学者フロイドによって提唱された人間の三つの精神構造の概念を用いて説明するならば、カウンセリングとは、環境刺激の一部として、自我および超自我に働きかけることにより、心理的構造における、イド・自我・超自我のアンバランスを修正し、あわせて精神の安定と人格の完成を促すことといえる。この三つの関係のバランスを保ちながら発達していくことが望ましいが、自我や超自我の未熟により、神経症的性格が強まり、非社会的行動を引き起こしたりすることもある。
また、カウンセリングは、治療的カウンセリングと発達援助的カウンセリングの二つに大別することができる。前者が、専門的な知識や技術等を用いて治療を目的としているのに対し、後者は子どもの人格をバランスよく発達させるのを目的としている。学校で行われるカウンセリングといえば一般的に後者を指す。
近年、社会の...