中国語の特徴と発音について解説します。
1:中国語の特徴
「中国語」っていったいどんな言語でしょうか?ここではその特徴を取り上げます。
① “簡体字”が使われる
中国語は全部漢字で書き表わされています。新しい流行語や外来語などもカタカナのようなものがないので、漢字に書き直され、使用されています。
しかし、その漢字は私達が使っているものとは形が違うものがあります。なぜなら、漢字は中国人によって作られ、日本に伝わってきたのですが、中国は50年代に数回にわたって、漢字の画数を減らしたり、あるいは漢字の一部分をなくしたりして漢字を簡略化してきたからです。
イエは“家”、ウシは“牛”ですが、アタマは“头”でウマは“马”です。この中国独自の簡略化された文字を「簡体字」といい、中国語を書き表わす正式な字体です。 新出単語が出るたびに一つずつ覚えていきましょう。
②“普通话(プートンファ)”
中国は56の民族がおり、その中で人口の90%以上を占めるのが「漢族」とよばれる漢民族です。その漢族が使用するのが漢字を使用するその漢族が使用するのが漢字を使用する「漢語」=「汉语(ハンユー)」です。つまり「漢語」とは漢民族の言語のことです。
漢民族の言語ですから、ここには北京語も上海語も広東語も含まれます。中国は方言の多 い国なのです。しかし、方言といっても外国語のように全く意思疎通できないのがほとんどです。そこで中国全土にあまねく《普く》通じる《通》ことば《話》という意味の「普通語」、いわゆる標準語が定められ、ラジオやテレビ、新聞、学校教育といった公の場で使用されるようになりました。私たちが学ぶのはこの全国共通の中国語、すなわち“普通话(プートンファ)”です。
③ 中国式表音ローマ字
漢字だけしかない中国語、ではその読み方はどう表わしたらよいでしょう。確かに漢字は目で見て意味を知るには便利ですが、「音」を表してくれません。そこで中国では1958年に漢字の読み方を示すものとして、アルファベット・ローマ字によるつづりを制定し、これを公布しました。中国でも小学校でまず、これを学びます。この中国式のローマ字つづりはあくまで中国語の発音を示すために定められたものなので、私たちが英語で慣れ親しんだ読み方とは、少し違います。そこで、まずはこのアルファベット・ローマ字を熟知することが中国語の音になれる第一歩です。
④ 読み方はひとつ
1つの漢字は基本的に一つの読み方しかありません。しかし、「多音字」と呼ばれる、2つ以上の読み方のある漢字もありますが、それはごく少数です。なので、日本の漢字のように一つの漢字に音読みや訓読みなど何通りもないので、漢字の読みであるピンインは比較的覚えやすいと思われます。
⑤ 敬語の体系がない
敬語の表現はありますが、敬語の体系はありません。中国語を日本語に翻訳する場合は状況に応じて訳しましょう。
⑥ 格変化がない
英語のように動詞の格変化がありません。過去や否定、受け身などを表す場合、それぞれの意味を表わす語彙があり、それを文法のルールに従って文の中に入れればいいわけです。
2.中国語の発音
漢字を並べるだけで文章を作る言語である中国語にとって、発音は重要であり、日本語にはない発音もありますのでしっかりと時間をかけて練習する必要があります。
① ピンイン
中国語の発音の表記はローマ字と声調の二つの部分で構成されています。その“ǎ“ē“dé”などのアルファベットで表記されている発音表記を「ピンイン」と言います。
ピンインは中国語の発音に無理やりアルファベットを当てはめたので、ローマ字読みで発音できない、独特な発音があります。ですから、しっかりピンイン独自の読み方を習得しなければなりません。
「ピンイン」にはいろいろな約束事があり、その約束事に2つの原則がある。1つは音節と音節とのけじめをはっきりさせること、もう1つは省略できるものはできるだけ省略するということです。
② 母音
母音は、母音だけからなる単母音が6つ、「そり舌音」のerというちょっと変わったものの、全部で7つあります。
日本語より口を大きくあけ、喉を使い大げさに発音するのが要領です。
③ 複合母音
複合母音は単母音が2つ、3つ連なっているものですが、1つの音のようになめらかに発音することがポイントです。日本語の「追う」を例にとって見ると、「オ」「ウ」は1つの音節のように聞こえるが、実際には2つの音節です。中国語のそれに相当する複合母音「ou」は1つの音節で続けて読まなければならない。複合母音は全部で13個あります。下の3つのタイプに分けて習得しましょう。
④ 鼻母音
中国語ではgānといったら“干(盾)”ですが、gāngと-ngで終わると“钢(鋼鉄)”です。つまり、-nか-ngは区別されます。日本語は-nも-ngも区別していませんが、実際の発音では、「アンナイ」ではnが、「アンガイ」ではngを使うなどして発音されています。
⑤ 子音
子音は全部で21あり唇音、舌尖音、舌根音、舌面音、そり舌音、舌歯音に分けられます。
子音はそれだけでは音が弱く発音しにくいので、普通( )内に示した母音をつけて練習します。
子音には無気音と有気音の区別があります。日本語のパ、カ、タ行の音の子音はいったん閉ざされた器官を突き破って出てくる破裂音です。中国語にもこのような破裂音がありますが、破裂のときに「息を抑えて控えめにする」無気音と「息をパッと激しく出す」が有気音があり、これを厳密に区別します。「zh」、「ch」、「sh」、「r」は日本語にはない音なので、日本語の“ジ”、“ツ”、“ス”、“リ”などにならないように気をつけたい。
⑥ 四声
中国語には一つ一つの音節に、高低や上げ下げの調子の声調がついています。声調が違えば別の言葉になります。「普通語」にはこの声調が4種類あり、これを「四声」と呼びます。
第何声であるかを示すマークを「声調符号」と言い、声調符号のつけ方を説明しておきます。それぞれの音節の母音の上に付けます。複合母音には、はっきりと発音される中心母音の上に符号をつけます。(ⅰ.「a」を優先 ⅱ.「a」がない時、「e」、「o」につけます ⅲ.「i」、「u」が並んだ時に後方につけます)
4つの声調以外に、軽く発音される「軽声(けいせい)」があります。
⑦ 声調の変化
以上で学んできたこと以外に、発音において特有のルールがあります。その代表的なものを勉強しましょう。
※ 第3声が連続する時
“你好(ニーハオ)”のように、第3声が連続し、間にポーズを置かずに言う時は、前の第3声が第2声に発音されます。“你好(ニーハオ)”では“你nǐ”が2声で“你ní”のように発音されます。
第3声が第2声に発音される時でも、声調記号はもとのまま第3声にしておきます。
※“不bù”の声調変化
“不”は本来、第4声ですが、後ろに第4声が続くと、第2声に変化します。
(ここでは便宜上すべて4声で表記しています)
※“一yī”の声調変化
“一”は本来、第1声ですが、後ろに第1・2・3声が続くと、第4声に変化します。
後ろに第4声が続くと、第2声に変化します。
順序数は第1声のままです。
yī èr sān
一 二 三
後ろに何も続かない場合も第1声のままです。
tǒngyī统一
※“儿”化
“儿”化(r化)とは音節の末尾に「r」がつくことです。“儿”は独立した音節を成さず、最後に舌をひょいとそり上げるだけです。その結果、上のように“儿”化された元の音節に音変化が生じることがあります。北京語によく見られる発音の変化の特徴です。
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