ピアジェの発達の認識について書きました。
ピアジェは「発生的認識論」とよばれる認知発達理論を確立し、認知の発生という概念を生んだ。
ピアジェによれば同化と調節により知識獲得が行われるとされている。子どもはすでに持っている知識(シェム)を外界にあてはめ、同化作用を行う。例をあげると、物が口に触れると吸うという知識(シェム)から乳首を吸った時に母乳が出てくる。このことは子どもにとっては予想外のことであり、すぐに同化に使ったシェムを修正し、物が口に触れて吸うとお腹が膨れるという新しい情報を追加する。そして、これ以降は何か口に触れれば母乳を求めて吸うようになる。これが調節作用である。しかし、お腹が空いて吸った物が毛布だったりすると、またそのシェムを調節して新しいシェムを構築し、乳首と毛布は異なる物であるという識別を行う。このように、同化と調節の働きは個々に働くものではなく、表裏一体的に働き、ここから知識獲得につながる。ピアジェはこれを均衡化とよんだ。
また、認知発達において子ども自身の外界に対する積極的な働きかけから得られる様々な経験の役割を重要視するなかで、ピアジェは対物的な経験に重点をおいた。物理的経験と論理―数学的経験の2種...