1. 以下の(甲)および(乙)の見解について論評しなさい。
満期日の記載のない手形は、つねに一覧払式のものとして扱われる。(乙)確定日払式手形の振出日が記載されていなくても、手形として有効である。
2. 以下の(甲)および(乙)の見解について論評しなさい。
(甲) AがBの許諾を得てBの商号を用いて約束手形を振り出した場合、Bが振出人として手形責任を負う。(乙)夫(A)が自己を表す名称として妻(B)の名称を用いて約束手形を振り出した場合、Bが振出人として手形責任を負う。
3. 金額100万円の手形の所持人Aは、40万円の手形権利についてのみ、Bに指名債権譲渡の方法を用いて譲渡しようと考えている。この場合において、以下の(1)および(2)の問題をどのように考えるか、あなたの見解を示しなさい。
(1) 手形は法律上当然の指図債権とされるから(手11条)、そもそも指名債権譲渡の方法で手形権利を譲渡することはできない。(2)手形権利の一部を譲渡することは、法が禁止する「一部裏書」と同じ結果となるので、無効である。
4. Aが約束手形をBに宛てて振り出したが、Cがこの手形をBから盗みだし、Bの裏書署名を偽造したうえで、これをDに譲渡した。この場合において、DはCの手形責任を追及することができるか。以下の(甲)および(乙)の見解を論評しなさい。
(甲) Cは「B」を自己を表す名称として署名したのであるから、Cは裏書人として担保責任を負う。(乙)Cは、自分以外の「B」が手形行為者であるかのように表示したのであるから、手8条の類推適用により手形責任を負う。
5. 約束手形の金額欄には、アラビア数字で「Y1、000、000}という記載と、漢字で「金壱百圓也」という記載がある。この場合に関する以下の(甲)及び(乙)の見解について論評しなさい。
(甲) 社会通念状、100円の支払いを後払いにすることはあり得ないから、「金壱百圓也」は「金壱百萬圓也」の誤記である。したがって、この手形の所持人は振出人に対して100万円の支払を求めることができる。(乙)手形金額はその記載された文言のみによって定まり、社会通念と行った手形外の事情を考慮することは許されない。したがって、この手形の金額は手6条1甲に従い、100円である。
6. AがBに宛てて約束手形を振り出し、これをBがさらにCに裏書譲渡した。AがBに対して人的抗弁を抗弁しうる場合において、以下の(1)(2)に答えなさい。
(1) 手17条本文によれば、AはBに対する人的抗弁を持ってCに対抗できないものと定める。その理由は何か、民468条2項と対比しながら述べなさい。(2)手17条ただし書にいう「債務者を害することを知りて」とはどのような場合をいうか。本問の事例に則して説明しなさい。
7. 「手形の文言証券性」の意義を、具体例をあげながら述べなさい。
8. Aが営業を行うのに際して、Bから「B」という商号を使用することについて承諾を得た。その後、AがCとの取引上の代金を支払うために、「振出人B」と署名し、Cを受取人とする約束手形を振り出した。CはA・Bに対して、どのような手形上の責任を追及することができるか検討しなさい。
9. Aが、自ら債務負担する意思がないのに、この世に存在しない「甲」という名称を用いて、約束手形をBに宛てて振り出した(「本件手形」)。本件手形の振出人は甲、受取人はBであり、Bは現に本件手形を所持している。BはAに対して手形責任を追及できるか。できるとすれば、どのような根拠によるか、述べなさい。
10. 手形の裏書が指名債権譲渡の効力しかない場合を3つあげ、それぞれ理由を述べなさい。
11. 手形保証人の責任と裏書人の担保責任を比較して、その異同を述べなさい。
12. 「手形金請求訴訟の提起によって、原因関係上の債権についても時効中断の効力が生ずる」という見解を論評しなさい。
13. 手形が要式証券とされていることの意味及びその根拠について、具体例をあげながら論じなさい。
14. 裏書が連続していない約束手形の所持人がその振出人に対して手形金の支払を求める場合、どのような事実を主張立証しなければならないか。具体例をあげて論じなさい。
15. 約束手形の振出人Aが、裏書人Bの被裏書人Cに対する人的抗弁を主張して、手形金の支払を拒むことができる場合があるか。具体例をあげて、その理由を述べなさい。
16. 約束手形の振出人が、満期日までに支払資金を調達することが困難であるため、支払いの延期を求めようとしている。どのような方法が考えられるか。具体例をあげて説明しなさい。
17. 約束手形に署名後、受取人に交付する前に盗まれた振出人が、手形責任を負う場合があるか。判例の見解を踏まえながら検討しなさい。
18. 中間の裏書において、被裏書人の氏名の記載だけが抹消されている場合、「裏書の連続」があるかどうか検討しなさい。
19. AはBから印鑑を預かっていたが、右印鑑を利用して、B名義で約束手形をCに宛てて振り出した。Cがこの手形をさらにDに裏書譲渡した。DがBに対して手形金を請求することができるかについて、法律上の問題点を論じなさい。
20. 手形法16条2項にいう「悪意または重大なる過失」と同17条ただし書にいう「債務者を害することを知りて」の意義を述べ、その違いがどのような理由によるものなのか検討しなさい。
21. 乙の所持する約束手形の振出人欄には「甲株式会社」という印章と、「甲株式会社代表取締役之印」という印章が押捺されている。以下の(あ)および(い)の見解について論評しなさい。(あ)法人署名として有効とするには、代表者個人の名称が記載されていなければならない。したがって、この手形は無効であるから、乙は甲会社に対しても手形金を請求することができない。(い)乙は、甲会社が甲会社代表者個人か、選択して手形金の請求をすることができる。
22. 有価証券を喪失した場合の救済策である公示催告・除権決定制度(非訴事件手続法)について説明しなさい。
23. 手続行為の無権代理人の責任について、手形法8条と民法117条ではどのような違いがあるか。その違いが生ずる理由も述べなさい。
24. 手形行為独立の原則が認められる理由を述べ、この原則が適用される具体例をあげなさい。
25. 「賭博の支払のために手形に裏書きした場合、当該手形を譲り受けたものは無権利となる」という見解を論評しなさい。
26. 「隠れた保証の趣旨の裏書は原因債務についての民事保証を含む」との見解を論評しなさい。
27. Xが所有する約束手形の振出人欄には「甲組合理事長Y1」という記名印とY1個人名の印鑑が押捺されている。甲組合は民法上の組合であり、組合員はY1~Y25の25名である。満期において、Xは誰に対して手形金の支払を請求できるか検討しなさい。
28. 「法律行為としての手形行為には、民法の意思表示に関する規定は適用されない」との見解について、具体例を挙げながら、検討しなさい。
29. Bは「A代理人B」という名義で約束手形をCに宛てて振り出したが、Bには手形振出の権限が与えられていなかった。Cはこのような事情を知りながらBから右手形を受け取った後、これをDに裏書譲渡した。満期においてDがAに対して手形金の支払を求めたところ、Aは「Bには手形振出の権限がない」ことを理由に支払を拒絶した。この場合において、DのAに対する手形金請求を認めるには、どのような理由が考えられるかを検討しなさい。
30. 約束手形と貨物引換証の違いを論じなさい。
31. 約束手形の振出人Aは満期において所持人Bに対して手形金を支払ったが手形を受け戻さなかった。その後Bはこの手形をCに裏書譲渡した。CがAに手形金の支払を請求してきた場合、Aはどのような抗弁を主張できるか。
1. 以下の(甲)および(乙)の見解について論評しなさい。
2. 満期日の記載のない手形は、つねに一覧払式のものとして扱われる。(乙)確定日払式手形の振出日が記載されていなくても、手形として有効である。
3. 以下の(甲)および(乙)の見解について論評しなさい。
(甲) AがBの許諾を得てBの商号を用いて約束手形を振り出した場合、Bが振出人として手形責任を負う。(乙)夫(A)が自己を表す名称として妻(B)の名称を用いて約束手形を振り出した場合、Bが振出人として手形責任を負う。
4. 金額100万円の手形の所持人Aは、40万円の手形権利についてのみ、Bに指名債権譲渡の方法を用いて譲渡しようと考えている。この場合において、以下の(1)および(2)の問題をどのように考えるか、あなたの見解を示しなさい。
(1) 手形は法律上当然の指図債権とされるから(手11条)、そもそも指名債権譲渡の方法で手形権利を譲渡することはできない。(2)手形権利の一部を譲渡することは、法が禁止する「一部裏書」と同じ結果となるので、無効である。
5. Aが約束手形をBに宛てて振り出したが、Cがこの手形をBから盗みだし、...