個別援助技術(ケースワーク)の展開過程について
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個別援助技術(ケースワーク)の展開過程について
1.個別援助技術の目的
個別援助技術の目的は、利用者や援助者の目前に存在する困難状況を取り除き、利用者が遭遇している困難状況は、社会問題の一角であるとし、問題解決を支援することである。
すなわち、本人のパーソナリティの安定を図るとともに福祉サービスを調整し、生活環境が改善されることを目標として援助を進めることである。
実務における個別援助技術の展開は、社会福祉の専門的な援助過程においては一定の手法が定着しており、これに準拠して展開されているが、その展開過程は流動的、弾力的である。それは、社会福祉の機関、施設等に提示される利用者の生活問題は各種の背景、原因が契機となっており、それが生活困難となって現象化し、個別性の高いものとなっているからである。従って、援助の過程は援助者側の論理で展開できないことが多く、利用者のニーズの変化や事態の変容等に的確に対処し対応することが求められている。
ここでは、個別援助技術の過程を3つに区分し、その展開過程を考察することとしたい。
2 個別援助技術の展開
(1)「援助の開始期」
①インテーク
個別援助...