特殊講義2(福祉と女性) 2011年 第3課題 中央大学通信教育
生物学的な性(男か女)によって果たすべき役割が異なる(賃労働か家事)という考え方は、一般的に性別役割分担とよばれている。もちろん男女で従事すべき仕事が異なるとする考え方自体は、時代や地域を問わず広く見られるものといえる。ただし現代の性別役割分担は、近代化の過程で職場と家庭の分離が一般化したことと切り離しては考えられないので、この職住分離の過程で男性が賃労働に従事し、女性が家庭を維持するためのさまざまな無償労働を担うという現代の性別役割分担が確立していった。
その背景には、戦後の日本社会は、この性別役割分担を前提とした社会シス...