「幼稚園または小学校の教育課程編成上留意すべきことについて述べよ。」
今日の学校教育はいままでよりかなり深刻な様相を帯びている。「学力低下」「いじめ」「不登校」「学級崩壊」といった言葉がマスコミに取り上げられない日がないほどだ。いまや様々なメディアの発達や塾や予備校の繁栄によって、学校は唯一の情報発信源ではなくなっている。また、学校は子供たちが安心できる居場所ではなくなり、学校こそが子どもたちを疎外する元凶であるかのような様相を示している。まさしく、このような状況の中で、「教育課程」が今まで以上に真剣に問い直されようとしている。
そもそも「教育課程」という言葉は「カリキュラム」という原語の翻訳語としての意味だったが、日本ではカリキュラムは研究的な用語として、教育課程は公式の用語として使い分けられている。当レポートでは教育課程への問いが学校教育の問い直しと共振していると考え、今日における教育課程を記述したのち、小学校における教育活動や学習指導の進め方の留意点について考察していく。
1、教育課程とは 最近の研究結果も踏まえて次のように定義する。「子どもたちの成長と発達に必要な文化...