いわゆる使用窃盗について述べよ

閲覧数2,422
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 7ページ
    • 会員1,980円 | 非会員2,376円

    資料紹介

    H22報告課題刑法Ⅱ 参考文献 C-book 基礎刑法各論(早稲田経営出版、新保義隆)

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1 問題。

     窃盗罪は他人の財物を窃取する罪で、財物の所有権(民法二〇六条)、つまり物を自由に使用・収益・処分する権利を保護法益とした他人の所持(占有)を犯し、自己又は第三者の所持(占有)に移す犯罪である。構成要件的故意の他に、不法領得の意思、つまり権利者を排除し他人のものを自己の所有物と同様に、その経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思が必要とするのが判例、通説である。

     そこで、使用窃盗は、財物を一時使用してから返還する意思で、短時間の間、持ち去る行為をいうが、そのような行為を罰する犯罪はないため、不可罰となるか、それとも窃盗罪の構成要件該当性、具体的には不法領得の意思を含む構成要件的故意を認めることによって、処罰できるかが問題となる。

    2 判例・学説

     判例は、不法領得の意思の有無の問題として、自転車と自動車の事例で不法領得の意思の有無を判断し、自動車に対する窃盗罪の成立を認め、他方、自転車については認めていない(最決昭55・10・30刑集34-5-357 京都地判昭51.12・17判タ354-339)。

     不法領得の意思とは窃盗罪を含む財産領得罪一般に共通して、...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。