序論
心理学における学習とは動物や人間が経験によって永続的に行動を変化させることを指す。動物の学習の実験的研究はThorndike(1898)の問題箱研究から始まり、今日まで盛んに行われているが、現在学習の仕組みについて、大きく2つの方法に分類する考え方がある。その1つは古典的条件付け(パヴロフ型条件付けとも呼ばれる)であり、元来ある反応行動と無関係な中立刺激が、無条件刺激と繰り返し組み合わされる結果、その反応行動を誘発するようになるというものである。そしてもう1つがオペラント条件付け(道具型条件付けとも呼ばれる)である。これは内発的な反応に随伴する報酬的刺激が結び付けられる(連合される)事により、その反応の相対発生頻度が増加するというものである。本実験ではY字型装置を用いたオペラント条件付けによってラットが明暗弁別を学習するかを検証した。
方法
◆被験体
実験開始時10週齢のオスのWister系アルビノラット2匹(おのおのラットP、ラットMとした)を被験体として用いた。実験開始1週間前から個別ケージ内において飼育し、実験前1週間は自由に摂食及び飲水を行わせた。実験中は12時間明/12時間暗の条件で飼育した。
◆装置・刺激
実験装置には、図1に示すようなY字装置を用いた。出発箱に置いたラットはギロチンドアが下りている間は出発箱から出ることができないが、ギロチンドアが開いている場合は半開きのドアを開くことで左右の目標箱に行くことができた。ドアの扉には明暗刺激として用いた白のカード或いは黒のカード(アクリル製)をかけることができた。目標箱にはおのおの餌皿が設置してあり、強化子として用いたペレット(1粒45mg)を入れることができた。
Y字型装置を用いた
ラットの明暗弁別学習
心理学専修課程 学生証番号XXXXXX
XXXX
XXXX年XX月X日提出
序論
心理学における学習とは動物や人間が経験によって永続的に行動を変化させることを指す。動物の学習の実験的研究はThorndike(1898)の問題箱研究から始まり、今日まで盛んに行われているが、現在学習の仕組みについて、大きく2つの方法に分類する考え方がある。その1つは古典的条件付け(パヴロフ型条件付けとも呼ばれる)であり、元来ある反応行動と無関係な中立刺激が、無条件刺激と繰り返し組み合わされる結果、その反応行動を誘発するようになるというものである。そしてもう1つがオペラント条件付け(道具型条件付けとも呼ばれる)である。これは内発的な反応に随伴する報酬的刺激が結び付けられる(連合される)事により、その反応の相対発生頻度が増加するというものである。本実験ではY字型装置を用いたオペラント条件付けによってラットが明暗弁別を学習するかを検証した。
方法
◆被験体
実験開始時10週齢のオスのWister系アルビノラット2匹(おのおのラットP、ラットMとした)を被験体として用...