裁判員制度の確認、さらに制度のメリットとそれに対する反論を考察していきます。
『裁判員制度』
まず、裁判員制度について簡単に確認しておきたい。裁判員制度はより国民に理解しやすい裁判を実現することで司法を国民にとって身近なものにするという趣旨のもと導入され、平成21年5月21日から施行された。対象事件は、法定刑に死刑または無期懲役・無期禁錮を含むなど、一定以上の重大犯罪であり、裁判官と裁判員は、共に評議し、有罪・無罪の決定及び刑の量定を行う。裁判員は、評議において、裁判官と基本的に対等の権限を有しており、裁判員が加わる合議体の員数は、裁判官3名、裁判員6名を基本とするが、一定の要件を満たして争いの少ない事件においては、裁判官1名、裁判員4名という構成も可能である。裁判員の選任は、選挙人名簿から無作為抽出した者を母体とする。裁判員は、具体的事件ごとに選任され、1つの事件を判決にいたるまで担当し、裁判所から召喚を受けた裁判員候補者は出頭の義務を負い、裁判員となった後は守秘義務を負う。評議における判断は、構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見によってなされる。
次に裁判員制度導入によって一般的に期待されるメリットについて確認しておく。ま...