表現を育てる保育者の役割についてテキストの内容を参考に述べよ。
領域「表現」は平成元年に設定された。しかしそれ以前にも「表現」という言葉は保育の現場で使われていた。ところがそこでは子どもの自由な発想や表出・表現を認め、受け止め、個性の大切にすることなどにはほとんど関心がなかったのである。
しかし、領域「表現」の出現によって、保育現場保育士養成機関では表現の考察・検討が盛んに行われるようになった。その結果、表現とは文化的表現だけではなく、生活の基礎能力として重視すべきという点に気付いたのである。
日本人の表現力は国際的に評価が高くない現状であるが、幼児に関しては十分に全身で表出・表現しており、0歳児に関しても共有・共感の様子が確認されている。ゆえに日本人は生まれながらにして表現する力を十分にもっていることがわかる。しかし、いつからか表現することに対して消極的になってしまう。このことは幼児期からの育ちの中に隠されている問題を読み取り、その解決も表現教育として捉えて、指導をしてゆくべきである。また、表現の対する意識が曖昧なため、日本の教育現場では自由と放任・わがまま・無責任の混在がみ...