マネ、デュシャン、ウォーホルを取り上げ、モダンアートの動きについてまとめました。
「芸術作品」から、幅広い意味で「アート」と呼ばれるようになった過程はどういったものだったのか。モダンアートの流れを、スキャンダルという視点から見ていきたいと思います。マネ、デュシャン、アンディ・ウォーホルの順に見ていきます。
まず、モダンとはどんな時代だったのでしょうか。モダンは日本語では「近代」と訳されています。だいたい18世紀、19世紀で、日本でいうと明治時代や大正時代にあたります。一般的にアーチの世界では、1860年代から1960年代頃までをモダンアートと考えるのが主流です。それまでは、王や貴族の影響力が強く、芸術も彼らに庇護されていましたが、モダンの時代になると、様々な革命により、選挙などが行われるようになったこともあり、市民の意見がより尊重されるようになってきます。人々の生活は変化していきます。町には工場が立ち並び、大量生産が可能になります。また、飛行機や電車、大型船などが登場します。それにより、物流も盛んになり、至るところで大量生産された商品が並ぶようになります。家庭においても変化が見えるようになります。つまり、生活に結びつく便利な機械――例えば、カメラ、冷蔵庫、車、ラジ...